ケーブルグランドの用途とは? 材質とサイズ選びのガイド

2022-09-21

ケーブルグランドの用途とは?

ケーブルグランド(英語:Cable Gland)は、制御盤や機器の筐体にケーブルを引き込む際に使用する配線部材です。ケーブルを機械的に固定し、ねじれや引張りによる断線・抜けを防ぐと同時に、ケーブル引出口の気密性を確保して、水分や粉塵の侵入を防ぎます。あわせて、金属筐体とケーブルとの間の絶縁保護も担います。

ケーブルグランドの応用

  • 産業用ケーブルグランド(Industrial Cable Gland) – 高温・粉塵・油などの過酷な環境に対応します。使用環境に応じて必要な機能を選定します。
  • 船舶用ケーブルグランド(Marine Cable Gland) – 衛星航法・GPS・レーダーなどの用途に使用され、高い防水性と耐塩害性を備えます。

ケーブルグランドの種類

材質別 比較表

材質 主な特性 耐性 防塵・防水/難燃 推奨用途 製品ページ
ナイロン(PA66) 軽量で絶縁性が高く、締結作業がしやすい 耐油・耐アルコール・耐溶剤 IP68/UL94 V-2(V-0グレードへの変更可) 一般産業配線・制御盤 GNCG 防水ナイロンケーブルグランド
亜鉛ダイカスト(亜鉛合金) 金属製可とう電線管(フレキ)用。高強度で密閉構造 耐アルコール・耐油・耐溶剤 防塵・防水 高強度が求められる設備・屋外設置 GT01 防水金属ソフト管コネクタ
真鍮(ニッケルメッキ) 耐食性に優れ、導電性も良好 耐水・耐塩害・耐薬品・耐弱酸・耐油 防塵・防水 腐食対策・湿潤環境 GNBT 真鍮製ケーブルグランド
ステンレス 高い耐食性と機械的強度 耐薬品・耐塩害・高温環境 防塵・防水 化学プラント・海洋・食品設備 GSCG ステンレスケーブルグランド
EMCシールド(アルミ製・ASCG) 6061アルミ合金+アルマイト処理。ベリリウム銅製コンタクトスプリングが編組シールドを保持し、筐体・アース側との導通を確保します。ねじ規格はメートルねじ 使用温度範囲 −50℃〜200℃(シール材による制限)/耐塩害性・異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)の抑制 防塵・防水構造(IP等級:お問い合わせください)/シリコーン部 UL94 V-2 高温環境でのEMC対策:半導体・電子機器分野の産業設備、精密制御機器 ASCG EMCシールドケーブルグランド
EMCシールド(真鍮製・BSCG) 真鍮(ニッケルメッキ)ボディ。EPDMシールにより耐候性を確保します。ねじ規格はメートル/PG/G(PF)/NPT に対応 使用温度範囲 −40℃〜100℃/耐塩害性・耐弱酸・耐アルコール・耐油・耐溶剤 防塵・防水構造(IP等級:お問い合わせください)/PA66部 UL94 V-2 一般環境でのEMC対策:PLC・サーボアンプ・計測機器 BSCG EMC真鍮シールドケーブルグランド
アルミ製ケーブルグランド(GBAIL) アルミ合金ボディ。金属の機械的強度を保ちながら、重量は真鍮製の約1/3。PA66+EPDMシール 使用温度範囲 −40℃〜100℃(−60℃〜220℃へのカスタム可) 防塵・防水構造(IP等級:お問い合わせください) 重量を抑えたい機器:航空GSE・計測機器筐体・産業制御盤 GBAIL アルミ製ケーブルグランド
特殊材質(Special) 耐寒・難燃・高温などカスタム対応 用途に応じて調整 要件に応じて選定 特殊環境・個別仕様 お問い合わせ

※ 使用温度範囲は、シール材を含む製品全体としての値です。金属部単体の材料特性とは異なります。

制御盤に取り付けたナイロン製防水ケーブルグランドの施工例
ナイロン製(GNCG)
ニッケルメッキ真鍮製ケーブルグランド 本体外観
真鍮製(GNBT)
ステンレス製ケーブルグランド 本体外観
ステンレス製(GSCG)

ねじ規格

  • PG(パンツァーねじ/ドイツ規格)
  • M(メートルねじ/ISO 一般呼び)
  • G・PF・BSP・PS(英国規格シリーズ)
  • NPT(米国規格)

機能

防塵/防水/耐油/耐溶剤/防爆/引張強度/耐酸/耐塩害/難燃

形状

  • ストレート型:標準型
  • カーブ型:45°/90° カーブ引出し
  • 耐ねじり型:折れ曲がり防止・ケーブル保護

IP68 防水・耐ねじりスパイラル付きナイロンケーブルグランド GSNC

ケーブルグランドの選び方【7つの確認ポイント】

ケーブルグランドの選定では、以下の7点を確認します。谷騏(Good Gi)では、この各項目についてご提案・型番選定をサポートしています。

  1. 適合ケーブル外径 – クランプ範囲が実際のケーブル外径をカバーしているかを確認します。
  2. 取付ねじサイズ・ねじ規格 – 盤・筐体側のねじ(PG/M/G/NPT)と一致させます。
  3. IP保護等級 – 使用環境に応じた防塵・防水レベルを選定します(下表参照)。
  4. 材質 – 環境・薬品・温度条件に応じて選定します(上表参照)。
  5. 準拠すべき規格 – 輸出先で求められるUL・CEなどの規格、難燃性グレード(UL94)を確認します。
  6. 防爆エリアでの使用可否 – ATEX/IECExなど、該当する防爆規格への適合可否を確認します。
  7. 締付けトルク – 適正トルクで固定し、気密性と保持力を確保します。

設備の引出し方向に合わせたケーブルグランド形状の選び方(ストレート型・45°・90°)

クランプリング内径とケーブル外径の関係、および取付ねじ規格の確認方法

難燃性グレード(UL94)

グレード説明
94V-0垂直燃焼試験で、有炎燃焼が10秒以内に停止し、綿を発火させる滴下物がない
94V-1有炎燃焼が30秒以内に停止し、綿を発火させる滴下物がない
94V-2有炎燃焼が30秒以内に停止するが、綿を発火させる滴下物が生じることがある

よく使われる防水等級(IP)と用途

  • IP66 – 一般的な屋外使用。風雨・湿気の侵入を防止。
  • IP67 – 最も一般的な浸水防止レベル。水深1m・30分の浸水に耐える。
  • IP68 – 常時水没を想定するレベル。条件はメーカー規定によります。

ケーブルグランドの市場・使用環境

ケーブルグランドは、ケーブルを保護・固定する配線部材です。主な使用市場と環境は次のとおりです。

  • 鉄道: 制御盤・照明(UL94難燃グレードの材質選定に対応)
  • 化学/オイル・ガス: 精製所(防爆エリア向けの選定が必要)
  • 電気: 配電盤(電力の安定供給)
  • エネルギー: 発電所・再生可能エネルギー(過酷環境対応)
  • 食品/医薬品: 機械・装置(洗浄性・衛生設計を考慮した選定)
  • 産業機械/通信: ロボット・データセンター(EMC対策にはシールドタイプを選定)

よくあるご質問

ケーブルグランドのサイズはどう選べばよいですか?

まず実際のケーブル外径を測り、クランプ範囲がその外径をカバーする型番を選びます。次に、盤・筐体側の取付ねじ規格(PG/M/G/NPT)と一致するかを確認します。この2点が合っていないと、締結できても気密性が確保できません。

IP67とIP68はどう違いますか?

IP67は水深1m・30分の一時的な浸水に耐えるレベルで、屋外設置で最も一般的に使われます。IP68は常時水没を想定するレベルで、具体的な水深・時間の条件はメーカー規定によります。

EMCシールドタイプと通常のケーブルグランドは何が違いますか?

通常のケーブルグランドはケーブルの機械的固定と防塵・防水が役割です。EMCシールドタイプは内部の金属製コンタクトスプリングがケーブルの編組シールドを保持し、筐体・アース側との導通を確保することで電磁ノイズ(EMI)対策になります。PLC・サーボアンプ・計測機器など、ノイズの影響を受けやすい設備で選定されます。

高温環境ではどの材質を選べばよいですか?

金属製であれば本体は高温に耐えますが、実際の使用温度範囲を決めるのはシール材です。たとえばEMCシールド・アルミ製(ASCG)はシリコーンシールにより −50℃〜200℃、真鍮製(BSCG)はEPDMシールにより −40℃〜100℃となります。金属部単体の材料特性と混同しないようご注意ください。

UL94のV-0とV-2はどちらを選ぶべきですか?

V-0は有炎燃焼が10秒以内に停止し、綿を発火させる滴下物がないグレードです。V-2は燃焼停止までが30秒以内で、滴下物が生じることがあります。鉄道車両や、納入先から難燃グレードを指定されている場合はV-0を選定します。ナイロン製はV-0グレードへの変更にも対応しています。

ケーブルグランドのサイズ・材質選びでお困りですか?|無料サンプル・お見積り

ケーブル外径と使用環境(温度/IP保護等級/設置場所)をお知らせいただければ、最適なケーブルグランドの型番をご提案します。型番が決まっていない段階でも構いません。「どの材質・サイズを選べばよいか分からない」というご相談から承ります。

商社を介さず、台湾本社の技術チームが直接対応します。サンプルの手配・お見積りも短納期・少量から対応いたします。

ご相談時にお知らせいただきたい項目

  • ケーブル外径(mm)
  • 取付ねじ規格・サイズ(PG/M/G/NPT)
  • 使用環境(温度、屋内/屋外、薬品・塩害の有無)
  • 必要なIP保護等級
  • ご希望数量・納期

※ 分からない項目は空欄のままで構いません。図面や現物の写真をお送りいただければ、こちらで確認いたします。